手入れが面倒で値段も高い漆器の本当の価値とは

椀や茶托、盆をはじめとした漆器は、近年のプラスチック製品にその役割が置き換わりつつあり、生産規模が縮小しつつある。

なぜなら、漆器は手入れが煩雑で扱いにくく、値段も高いというデメリットを多く抱えている。

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しかし、漆器の本当の価値は「漆は生きている」ということであり、その価値をきちんと表現している漆器業者は少ない。
漆器が古来より使われている根拠と、プラスチックとの決定的な違いについて考察していく。

漆は時間をかけてゆっくり乾燥していく塗料である。
一般的な漆器は塗りあがりまで2週間程度かかり、その状態でも完全な「乾燥」とはいえない。
漆器は、何十年もかけてゆっくり乾燥していくのである。

たとえば本溜塗という塗装方法では、塗りあがりすぐは黒っぽい色であるが、使い続けるうちに鮮やかな飴色に変色していく。

そして、乾燥すればするほど漆は硬く丈夫になっていく。

ウィスキーは樽の中で何十年も熟成させ、年数を経るほど価値のあるものへ変化していくが、漆器も生活の中で使い込むことによって自分だけの漆器になっていくのである。

使えば使うほど馴染んでいく漆器は、使ってこそ価値を生み出すのである。

漆器の本当の価値とは、使い込んでエイジングを楽しむことにある。

秋田県湯沢市の伝統工芸品である川連漆器は、生活漆器の代表格として比較的入手しやすい価格になっている。
安価なため普段使いに最適であるうえ、毎年10月に開催される川連塗りフェアでは、漆器製造元が自ら出展し、定価の2割引にて販売している。

川連漆器を入手する際は、ぜひ川連塗りフェアにて入手したい。

参考:川連塗りフェア

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