宇宙 雑学・トリビア

【宇宙】冥王星が惑星から外された本当の理由とは

投稿日:

太陽系惑星を「水金地火木土天海冥」で覚えた人も多く長年慣れ親しまれた惑星「冥王星」は、2006年8月24日の国際天文学連合 (IAU) 総会で、ついに惑星ではなくなってしまった。

冥王星が天文学者の間で「実は惑星ではないのではないか?」という議論は随分昔からあったのだが、ずっと放置されてきた経緯がある。
ブログタイトルは「冥王星が惑星から外された本当の理由とは」となってはいるが、本当のタイトルは「冥王星はなぜ惑星として放置されてきたのか」のほうが正しい。

それを語るには、冥王星発見の経緯に遡る必要がある。

天王星の発見までは目視や望遠鏡によって惑星が発見されてきたが、海王星の発見は天体力学が貢献した。

海王星(Wikipediaより)

海王星(Wikipediaより)

天王星の軌道を計算すると天王星の外側に何らかの天体があるのではないかと推測され、実際に海王星が発見された。
そして、天王星と海王星の軌道を計算すると、さらにその外側に天体「惑星X」があるのではないかと天文学者達は推測した。(後年これは誤りで、海王星の質量だけで軌道のズレを説明できることが分かった)

その「惑星X」発見に執念を燃やした男が、ローウェル天文台で有名な「パーシヴァル・ローウェル」である。

ローウェル(Wikipediaより)

ローウェル(Wikipediaより)

しかし、ローウェルは結局「惑星X」を発見できなかったが、1930年、ついにローウェルの意思を継いだクライド・トンボーが冥王星を発見する。
冥王星はローウェルが計算した軌道付近に存在したが、計算より小さい天体であることがわかり、海王星軌道には影響しないことが分かった。

冥王星(Wikipediaより)

冥王星(Wikipediaより)

グライト・トンボー(wikipediaより)

グライト・トンボー(wikipediaより)

時は進んで1978年、アメリカ天文学者・クリスティが冥王星に衛星「カロン」を発見したことで、冥王星の正確な大きさが判明する。
計算の結果、冥王星は衛生である月よりも小さいことが判明、さらにその軌道は大きく傾き、楕円を描いていた。
さらにその衛星は冥王星本体の半分以上の大きさもあり、冥王星は双子星とも呼ばれた。

冥王星軌道(Wikipediaより)

冥王星軌道(Wikipediaより)

すでにこの時点で、冥王星は惑星ではなく彗星に近い性質であることは判明していたが、惑星を外されることはなかった。
そもそも「惑星の定義」がなく、発見された中では充分大きいことから、国際天文学連合 (IAU) は保留にして結論を後回しにしていた。

そして1990年代に冥王星議論を再燃させたきっかけとなったのが「1992QB1」の発見である。
1992QB1は冥王星のさらに外側にある天体で、冥王星よりは小さいものの、冥王星に近いサイズであった。
このことは、以前より理論が提唱されていた「エッジワース・カイパーベルト天体」の実在性を示すひとつの根拠となった。

「エッジワースカイパーベルト天体」とは、海王星の外側には無数の小惑星群があり、冥王星はその一つであるという理論。
この理論が確かであれば、今後このような天体が多数発見されることになり、いずれは冥王星より大きい天体も発見されるだろうといわれていた。

カイパーベルト周辺の想像図(Wikipediaより)

カイパーベルト周辺の想像図(Wikipediaより)

もうすでに天文学者のほとんどは冥王星を惑星とは認めていなかった。
しかし、この期に及んでも国際天文学連合 (IAU) は「歴史的な重みを考慮して外さない」としてそのまま保留にし続けた。

そしてついに、歴史的な事件が起こってしまう。
2003UB313(後にエリスと命名)の発見である。

エリス(Wikipediaより)

エリス(Wikipediaより)

エリスは冥王星よりも大きいことがわかり、いよいよ惑星の定義を決めなければならない事態になってしまった。
当初、国際天文学連合 (IAU) は冥王星と冥王星の衛星カロン、小惑星ケレス、そして新たに発見されたエリスを加えた「惑星12個案」を提出したが、今後そのような星は続々と発見されることが予想され、天文学者はもちろん素人が見ても「それはありえない」という案だった。

なぜここまで冥王星を残したがったかは、冥王星はアメリカ人が発見した唯一の惑星だったことに由来する。
アメリカ人は、冥王星に特別な愛着を抱いてきた。
ある州では未だに冥王星が「惑星」として扱われ、ディズニーの黄色い犬の名前も冥王星に由来している。

現在も別のアプローチで「惑星X」探しが続けられている。

リンク:シミュレーションで推測、太陽系第9惑星存在の可能性

いつか正式に第9惑星が見つかる日があるかもしれない。

 

参考:冥王星を殺したのは私です

 

 

-宇宙, 雑学・トリビア
-, , ,

Copyright© 蒼のモノリス , 2017 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.