考察:千と千尋の神隠し 雑学・トリビア

【千と千尋の神隠し考察】千尋の禅寺修行説(2)入門の儀式と改名

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私は、千と千尋の神隠しを「千尋の禅寺修行体験」と考えている。
この考察は、千と千尋の神隠しに隠されたメッセージをひも解いていくものである。

前記事:【千と千尋の神隠し考察】千尋の禅寺修行説(1)川と橋は世界の境界

今回は第2弾、ついに千尋は修行場となる油屋へと向かう。

1 前回のおさらい

  • トンネルはお寺の門
  • 仏教では豚=愚か者
  • 川と街と橋は、この世とあの世の境界

2-1 湯婆婆の修行許可

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ついに油屋敷地内へ入った千尋は、ハクに「仕事をもたない者は湯婆婆に動物にされてしまう」という。
そのためには湯婆婆の仕事をする許可を貰わなければならないという。そして、何を言われても「働きたい」とだけ言い続けなければならないという。

リンと釜爺の手引きもあり、ついに湯婆婆との対面となる。

至近距離で迫る湯婆婆。怖い。

至近距離で迫る湯婆婆。怖い。

湯婆婆が様々な理由をつけて仕事をさせないように誘導したが、ハクの言いつけどおり「ここで働きたい」とだけ答えた千尋。
ついに湯婆婆は折れ、働かせることとなった。

この風習は、実は禅宗寺院でも行われている。

ある時、新しい雲水が入ってきた。来る前からどういう奴が来るとか、みんなの噂になっていた。これからしごくのが楽しみらしい。
『頼みましょう』でかい声で、新米雲水がやってきた。まずは、玄関に行き、『帰れっ』と激が飛ぶ!。新米雲水は、玄関で1日、いや2日間位土下座して修行を頼み込む。これが恒例らしく、彼らの根性を試すらしい。

禅寺修行体験記

上記の体験記は、おそらく永平寺(曹洞宗)または総持寺(曹洞宗)の体験記と思われるが、実に千尋のシーンと共通点が多い。

2-2 千尋の名前が「千」になった理由

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千尋はついに働くことを許されたが、なぜか名前を変えられてしまった。
「千尋」ではなく「千(せん)」と呼ばれる理由は、禅寺修行であることを考えれば戒名であると思われる。

戒名は住職であっても一般人であってもすべて2文字で表される。
これは、すべての人が平等であり、地位は修行に入った順で決まるとされているためである。

基本的に戒名は2字で表現される。身分の上下や精進、報恩の多少に関係なく、仏の世界が平等であることを表す。

Wikipedia

一般的に戒名と呼ばれているものは、主に院号・道号・戒名・位号で構成されている。
通常、「居士」「大姉」「信士」「信女」の前にある2字の漢字が戒名となる。

例1 「OO院△△XX居士」
上記の例の場合、「OO」が院号、「△△」が道号、「XX」が戒名、「居士」が位号である。

Wikipedia一部抜粋

戒名は音読みで表現され、普段の生活では、戒名の1字で名前を呼ぶ習慣がある。

実際にはそのまま名前の漢字を利用して
その漢字を音読みにする形で僧名とする方が多いです

しかし僧名として名前とは全く別の漢字を使って
新しく作る場合もあります

とにかく修行道場に入る段階では
入門者はかならずお坊さんの名前をもっています

そして修行道場によって異なりますが
その名前から漢字一文字をとって
修行道場の名前が決まります

例えば私の場合は
名前が良玄(りょうげん)
僧名も良玄(りょうげん)
そして修行道場の呼び名は玄(げん)でした

禅宗お坊さんのブログ布教

となれば、千(せん)と音読みかつ1字で呼ばれた理由として充分説明できるものと思われる。
ハク、リンを含め、油屋従業員は漢字1字やカタカナ2字程度の名前が多い。

伝統芸能でよく用いられる着到板(タイムカードのようなもの) 従業員の名前は極めて短い

伝統芸能でよく用いられる着到板(タイムカードのようなもの)
従業員の名前は極めて短い

 


 

長くなったので今日はここまで。
次回は千尋が「臭い」と言われた原因と、油屋の役割について解説したい。

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