【今日のトリビア】「あこぎ」の語源には伊勢神宮が関係している

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「あこぎ」は「ずうずうしい」「厚かましい」様子を指す言葉として、一般的に広く知られている。

あこぎ
あこぎとは、際限なくむさぼること。あつかましいさま。

日本語俗語辞書

『あこぎ』の解説
あこぎとは「物をむさぼる」「図々しい」「あつかましい」といった意味で江戸時代から使われていた言葉である。ただし、現在では時代劇の悪代官が悪商人(手下)に言う決り文句「あこぎな奴よのお」といった場面や「あこぎな商売」という言葉にみられる程度であまり使われなくなった。前後の文脈なしにあこぎと聞いた場合、アコースティック・ギターを略したアコギをイメージする人の方が増えている。

日本語俗語辞書

「あこぎ」の語源は、「阿漕ヶ浦」の略といわれている。
三重県津市にある海岸で、現在も「阿漕浦(あこぎうら)」と呼ばれており、潮干狩りやノリ漁場として親しまれている。

阿漕浦海岸キス釣り大会(津市観光協会)
阿漕浦海岸キス釣り大会(津市観光協会)

はるか昔、伊勢神宮の供物の漁場であり、殺生禁断の海であった。

そのほか神領の池や海が一般人に殺生禁断となったのは,神の贄(にえ)を取るためであった。たとえば伊勢の阿漕浦(あこぎうら)は伊勢神宮の供御を取るために禁断となり,これを犯すものは死をもって罰せられた。

世界大百科事典

この海で禁漁を犯した「阿漕平治」という男が死刑にされており、「阿漕」=「欲深い」という意味で定着したとのこと。

しかし、阿漕平治の地元では彼を「親孝行の息子」として尊敬されている。

 阿漕平治は母が病気で寝込んでいるため、伊勢神宮へ奉納するための漁場と知りつつ、病によく効くという「矢柄」という魚を密漁してしまいます。これで母の病気を癒せると嬉しがってわが家に帰ったのですが、あまりの嬉しさに浜辺へ笠を忘れてきてしまいます。そこへ、役人が来てその笠を見つけ、「笠に平治と書いてあるのが証拠だぞ」、と平治を引き立てて処刑をしてしまいました。母の病を思っての孝行も水の泡。平治は簀巻きにせられて、海へ投げ込まれてしまったのです。
それで「阿漕平治は欲深い」(阿漕=欲深い)という言葉だけが残ってしまいました。しかし、地元では、「阿漕平次は親孝行の息子」として尊敬されているのです。

日本語俗語辞書

 

ちなみに、神社仏閣に付随した池は例外なく殺生禁断とされており、上野の寛永寺にも殺生禁断の池があった。
落語の「唖(おし)の釣り」という題目では、殺生禁断の池で釣りをするとどうなるのか当時の様子が垣間見える。

 

 

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