デイリーポータルZ新人賞に応募した、当ブログの記事「世界一まずいカップラーメンを現役オーナーシェフに無理やり食べさせてみた!が、25日に入選作品(佳作)として受賞した。
雑学系ブログという性質上、DPZ向けの記事というのはなかなか難しいのだが、その中にあってこのような賞に入選したことはとてもうれしい。
そして、応募したどの作品も素晴らしくとても刺激になったが、DPZライター陣の寸評や選定作品には納得させられることが多く、「面白さの要素」が凝縮されているように感じた。
本記事では自分用の備忘録として、記録しておく。
「異なる視点」は面白くなる重要要素
最優秀賞「上野動物園を外から覗いた、の話」
優秀賞「ハンドドライヤーの奥深さを伝えたい」
佳作「憶断で何次会か当てよう」
などは共通して異なる視点からのアプローチである。
普段見ている・感じているものを違う視点で見ることで、新たな発見ができる。

ハンドドライヤーはトイレ出口付近にある手を乾かすアレ。(画像はデイリーポータルZより)
それらが身近であればあるほど、意外性もあがって見る目も変わるのかもしれない。動物園の記事は「中から見るもの」という固定概念を吹っ飛ばし、ハンドドライヤーは言わずもがな、憶断~の記事に至ってはただのゴミである。いずれも見方を少し変えるだけで面白い記事が1つ書ける好例であるし、参考になる人も多いと思う。
多くの受賞作品にこの傾向があることから、DPZライター陣がことのほか「違う視点」を重要視していた、または普段から違う視点の記事を製作することに心がけているのではないかと思う。
普通じゃないから面白い
応募作品の中で、私が最も好きだったのは佳作の「菌を飼う -総集編-」。
この記事を最初に見たときは驚嘆の一言だった。猫が飼えないなら猫がもってる雑菌を飼えばいいという狂ったコンセプトが素敵な作品。

猫から採取した雑菌を飼育(画像はデイリーポータルZより)
内容はただ雑菌が繁殖してるだけなのに、途中まで読むと続きが気になって仕方ない。この記事をみて「自分もやってみたい」という人は皆無だろうが、作者は読者を置いてけぼりで楽しんでいる。でもそれでいいと思う。
佳作の「無地のボクサーパンツは帽子として成立した」はなぜか普通の帽子ではないものを無理やり帽子にし、「【企画】116km先の温泉にチャリで行こうとはした」も普通では絶対に選ばない交通手段を使うことで記事としての面白さを追求している。
これは大住有さんやARuFaさんといった有名ライターの間でもよく使われているテクニック。
普通のことを異常にする。ブログ記事製作のネタ作りにおいては大いに有効だと思う。
さらに面白くするためには
当ブログの記事「世界一まずいカップラーメンを現役オーナーシェフに無理やり食べさせてみた!」は、確かに時間とお金を掛けて練りに練った記事だった。仕上がりにも自信があったし、もしかしたら入賞もあるかもしれないと思っていた。

「うまい」「まずい」は人によって異なり、視覚的に表現することはさらに難しい。どう表現するかは本記事最大の課題であった。
しかし、DPZっぽさは少なかった。本家のサイトを見てもらうと分かるが、記事の作りこみよりも直感的なわかりやすい面白さを重視しているように思う。
もう結果発表が済んだ後なので、今更「こうしておけば」とは思わないが、反省点として「大失敗する」→「こうしたら成功した」というストーリーのほうが面白かったかもしれない。いきなりシェフに持ち込まず、まずは自分なりに直感的なアレンジをして失敗してみることで、好対照になったのではないかなと思った。
私には絵心もないし、特殊な技能や才能もない。
しかし、そんなものがなくても面白い記事ネタはそこら中に転がっているということを受賞作品から教えてもらった。
そして、万が一それらの技能が必要になったら、絵が得意なブロガーさんに依頼したり、そういう技能をもつ人にインタビューしたりすればよい。それらの人の強みはそのまま自分の強みにすることもできる。
「これはよく書けた」と思ったら、自由ポータルZに応募してみると良い。多くの人の目に触れるチャンスが出来るだけではなく、月1500万アクセスの巨大サイトのライターから直接寸評してもらうことのできる絶好のチャンスになる。
リンク:デイリーポータルZ 新人賞2017結果発表